読書チェックイン+十日目+『外国散文精品鑑賞』+読書メモ
プルースの『影』は、名もなき点灯夫の物語を語っている。誰も彼を知らず、誰も彼を知ろうとせず、誰も彼を気にかけず、誰も彼と遊ばない。彼はまるで幽影のように夜の中で働き、その顔立ちさえ誰にも知られていない。死んでも、どこに埋められたのかすら分からない。一人の人間がこの世にやって来ても、彼にとっての世界も、世界にとっての彼も、まるで一度もつながりを持たなかったかのようだ。小さき者の悲惨さは、貧しさだけにあるのではなく、むしろ忘れ去られることにある。
私たちは誰もがこの世に生まれ、つながりを求め、認められることを望む。けれど現実の不平等ゆえに、多くの人は蟻のように名もなく黙々と生きている。社会の進歩は無数の普通の人々が共に押し進めてきたものだが、既得権を得る者はいつの時代も少数にすぎない。ありとあらゆる人々はいつももがき、抗い、そして忘れられていく。歴史は絶えず繰り返され、悲劇もまたその中を貫いている。
